ピアノソナタ第17番「テンペスト」-ベートーヴェン-音楽感想文 |
2009-11-15 |
ベートーヴェンのピアノソナタの中では、名前がついていることもあり、有名である。曲想の断絶が際立つ第1楽章、 複付点がもたらす緊張のなかメリスマつきで細く長く歌われる第2楽章、16分音符による見事な無窮動の第3楽章からなる。
第3楽章が特に有名。むかしの人ならばトレビドラマ「赤いシリーズ」を知っているだろう。そのうちの「赤い激流」では主人公がピアニストで水谷豊が演じていた。 主人公が弾くピアノ曲は私をとりこにした。そのうちのひとつがテンペストの第3楽章だった。 きょう、久しぶりに全曲を弾いたが第1楽章と第2楽章の難しさに愕然とした。第3楽章も難しいのだが昔暗譜をしていたこともあり間違いを無視して強行突破した。 中間部ではページをめくるのも忘れるほど熱中した。弾き終わってこんなことを考えていた。 あれほど練習していたのに、ひょっとして誰にも聞かせていないのではないか、 いや、誰かに聞かせたはずだけれど、誰だったろうか、でもどうでもいいことだ。演奏としては極めて不満だが、 自分で弾けると思い込んでいるうちはまだ、幸せなのだ、と。